書籍紹介「リーダーのための行動分析学入門」

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書籍紹介ということで、行動アシストラボ理事兼研究員の齊藤が送りするのは「リーダーのための行動分析学入門」です。

それでは早速以下、読んでみた感想とともに内容をご紹介致します!!

  • 目次
  • 第1章 企業は行動なり
  • 第2章 業績をつくる行動公式
  • 第3章 リーダーシップを原動力に
  • 第4章 リーダーシップを育てる仕組み
  • 第5章 よくある疑問や誤解(Q&A)
  • 巻末INDEX

マネジメントに悩むリーダーに新たな一手を投げかける一冊

「行動分析学」と検索すると、結果には障害者支援分野が多く出てくる。まだまだビジネス界では大きな広がりを見せてはいない行動分析学だが、反してその威力はあまりにも大きい。

その力をこれでもかと見せつけてくれるのが本書だ。

私が全体を読んで咀嚼した内容を大雑把に書くと

  • 行動分析学とは?
  • 演習してみよう
  • 事例(ミクロ)
  • 事例(マクロ)
  • Q&A

のような流れだ。

特筆すべきは、ミクロレベルの事例とマクロレベルの事例の両方を、かなり詳細なレベルで多数掲載しているところだろう(これについては後述)。

それもこれも、全ては「リーダー」をつくるため、「リーダー」を育てるためだ。

「自主性を重んじる」の罠

リーダーが部下に、社員に求めること。それは「社員自らが考え行動すること」すなわち「自主性」ではないだろうか。しかし、多くの場合聞かれる言葉は「部下が指示待ちで・・・」などの嘆き声。

なかなか解決策がなく頭を抱える中、第2章 2-3節はそうなってしまう理由と対策を教えてくれる。そこには「弱化」と「消去」、さらには「先行事象」が大きく関連しているのだ。

ともするとただただ愚痴とともに諦めてしまいそうになるが、その前に一度この内容を知っていただきたい。目から鱗になることうけあいだろう。

圧倒的事例

はじめの項にも書いたが、掲載事例は共感しやすいミクロレベルから始まる。

なかなかうまくいかないマネジメントは自分の性格のせいだと思っているリーダーが取り上げられている。まさに個人レベルの介入に関する事例だ。

それだけではない。本書を手に取るビジネスマンの目指すところは、もっとマクロなレベル、つまりグループ単位、あるいは会社単位での介入ではないだろうか。

そんな思いを持ちつつ本書を読み進めていくと、こちらの望みを知っているかのように事例の規模が大きくなっていくので、どんどん楽しさが湧いてきてページをめくる手が止まらない。

他の入門書では届かなかったかゆいところに手が届きそうな気がする・・・。

掲載されている事例をいくつか列挙してみると、

  • ただ1人のリーダーへの行動介入
  • 中小企業のパートタイマー4人への行動介入
  • コールセンター数千人への行動介入
  • 大企業のM&Aで合併した両社の社員全員への行動介入

のような感じだ。

まさに「ピン」から「キリ」までといったところか。

何より本書のすごいところは、その事例が「ここまで書いていいのか?」というギリギリまで踏み込んで書かれていることにある。

まえがきにもあるように、本書の事例の多くは、島宗氏と縁の深い「CLG」というコンサルティング会社の実例が元となっている。なんと豪華で美味しすぎる本なんだろう!

そして事例を読むとしみじみ想う。行動分析学ってやっぱりすごいんだなぁ、と。

圧倒的モデル

本書は先にも述べた通り「CLG」というコンサルティング会社が行った事例を多く掲載しているが、事例のみならず、CLGで使われているモデルもいくつか紹介されている。

行動分析学でいうところの「プロンプト」として使える有効なモデルだ。

例えばIMPACTモデル(商標 CLG)。

6つの確認事項それぞれの頭文字を取ったもので、介入の際にはこれらが達せられているかどうかを確認する。手がかりもなく暗闇でもがくようなところへ光で道を示してくれるかのようだ。

他にもいくつかモデルが紹介されているので、介入でつまづいている場合にはこれらのモデルを手がかりとして、どこに過不足があるのか確認してほしい。

ありがちな”つまづき”とその解決策がモリモリ

初めて行動分析学を学ぶ時、その効果・威力に愕然とするほどの魅力を感じる一方で、実用しようとすると必ず壁にぶつかる。その壁を乗り越えるためのキーポイントが実は本書にはたくさん散りばめられている。

まさに攻略本だ。

まず目を向けたいのは最終章のQ&A。これは初学者が必ず持つ疑問に答えを与えてくれる。

次に見ていただきいのは第5章196ページの3段落目あたりにある「なぜなら、強化がそうであるように、弱化の公式でも、嫌子の出現はその直前に実行されていた行動を減らすからです」。

私にとってはこの一文と出会えただけでも本書を購入する価値があった。

これはまさに私たちがついついやってしまうことであり、かつお互いに良いことがない悪循環な結果を生んでしまうシステムを教えてくれている。

特に太字になっているわけでもないのでスルーしてしまいそうになるが、こんなに重要なことがひょっこり出てくるので、読まれる際にはぜひウォーリーを見つけるがごとく目を皿にする準備をしていただきたい。

行動分析学の実践を知ってから読むと理解度はグンと上がるだろう

ここまで言いたいことを気の向くままに書いてきたわけだが、かくいう私は実は本書発売当時、第2章あたりで一度読了を挫折している。

というのも、頭には行動分析学のなんたるかについて基本的な知識はあったが、なにぶん実践をしたことがなかったので読み進めていてもまるでぬるま湯に浸かっている気分だったのだ。

しかし、そこから今を比べると、自分実験や他人への介入経験が積み重なってきたのもあり、かつてのぬるま湯は素晴らしき天然温泉へと変貌を遂げていた。1文1文が素晴らしき叡智の塊で、なんと私の好奇心を揺さぶってくれることだろう。

島宗氏も再三本書で述べているが、

「わかる」と「できる」

の間には目に見えぬ大きな大きなギャップがあるのだ。

知識で知っているだけでなく、経験も持った上でこのギャップをなんとかしたいという実感とともに本書を開けば、きっと本書は宝の山と同義に違いない。

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