
こんにちは!
行動アシストラボの愛里です。
我が家には ”文化” があります。
日々笑いが絶えないのです。
1人に辛いことがあっても
2人で話し合わなければいけないようなことがあっても
それでも数時間後や、翌日には
またいつも通り笑って過ごしています。
大仰に「我が家」なんて言っていますが、まだ一緒に暮らし始めて1年ですし、子供もいませんので、ただの2人生活です。
それでも笑いが絶えないのには理由があります。
行動分析家として、今回は行動分析学的知見からこの現象を分析してみようと思います。
現状その1:ダブって買ったら「わかってるぅ~!(σ*’ω’*)σ」
我が家は2人とも甘いものが大好きなんですね。
常に、なにか「甘いものを買ってもいい理由」をハイエナのごとく探しています。
ヾ(゚Д`;≡;´Д゚)ノ゙
すると、ちょっとでもいいことがあったらまぁ毎回必ず何か買うわけです。
2人とも。
そう。2人とも。( ゚Д゚)
ほら、今は文明の利器「LINE」があるじゃないですか。
んでもって、いいことってすぐに報告したくなるじゃないですか。
だから、仕事終わる頃にはお互いにいいことあったことを知っているわけです。
そうすると、ほら。帰りに買うじゃないですか。
しかも買ってくるお店というとだいたい決まっているんですよね。
そうなると、まぁかぶるかぶる笑
ある時は私が先に帰宅していて「じゃじゃーん!」
直後に旦那さんが「じゃじゃーん!(同じもの)」
で、2人で爆笑です笑
ここで、ダブって買ってしまったので
「もったいない~先に言ってくれたら買ってこなかったのに(怒)」
となってもいいわけですが、別に笑って済ませてもいいわけです。
現状その2:今日はおうちを防衛しますデー
疲れが溜まってなかなか家事ができない。
そんな日もあります。
夕飯は?スーパーのお弁当?
そんな日もあります。
あー、ゴミ出し忘れた・・・てへぺろっ☆
そんな日もあります。
明日に間に合わせねばー!!!徹夜じゃー!!!
うん、がんばって~(‘ω’)私は寝る。
そんな日もあります。
現状その3:え、そんなの自分で決めることじゃん?
以前、仕事のために私が朝家を出ていた時間は7時半。
しかし、まれに7時半をすぎても布団の中にいることがありました。
そんなとき旦那さんは、
「あれ、今日は自主休講?笑」
などの声掛けをするか、まぁそのまま放置して「んじゃ」と出勤するかでした。
逆に、旦那さんが起きなくはいけない時間を過ぎて寝ていたとき。
私は「あれ~?」と声をかけるか放置するかです。
「大丈夫!?遅刻じゃん!何してんの!?」
と言ってもいいのですが、特に言わずに本人に任せるのが我が家の文化です。
私の幼少期は違った
実は、今でこそこの文化に染まっている私ですが、実家にいた時の文化は違いました。
時間が過ぎれば
「早く起きなさい!遅刻するよ」
何か勿体無い買い方をすれば
「なーにやってるの!?先に言えばいいのに」
この手の発言はほぼお母さんですね^^;
そんな文化に染まっていたので、友人といても私は何かにつけて注意するとか指摘することが多かったように思います。
別の文化を取り入れた今、幼少期からの自分を振り返ると、どういう仕組みでその文化に染まっていたのかが少しわかるようになりました。
その仕組みについて次の節以降に書いてみます。
“文化”とは、学習の蓄積
先程もでてきた通り、私の母は何か見つけては注意する、指摘する、という言語行動がとても多い人です。
そうすると、四六時中その指摘を目の前にするので私が学習する機会も沢山あります。
・リモコンを元の場所に戻せ
・使った皿は台所に下げろ
・早く寝ろ
・寝る前には電気を消せ
・ストーブや暖房を消すのを忘れるな
・早く風呂に入れ
・薬忘れずに飲め
いっぱいありますね苦笑
で、何度もこの指摘を聞いているうちに、そのモノと母親の言葉がくっつき始めます。
リモコン=「元に戻せという母の声」
自分が使った皿=「台所に下げろという母の声」
夜寝る時間帯=「早く寝ろという母の声」
寝る前のストーブ=「寝る前に消せという母の声」
風呂=「早く入れという母の声」
薬=「忘れずに飲めという母の声」
これが脳内で繰り返されるうち、ついに声が自分の言葉として脳内発話されるようになります。
つまり
リモコン=元に戻すべきもの、「元に戻さなきゃ」
皿=台所に下げるべきもの、「下げなきゃ」
夜の時間帯=早く寝るべきもの、「早く寝なきゃ」
などなど。
この学習の蓄積によって、先程のモノを見聞きするたび思い出される言葉が、別の機会にも半自動的に発せられるようになるのです。
どうしても怒ってしまう、はどう解消できるのか
ところで、コミュニケーションでよくある問題として、やたらと怒ってしまう、というものがあります。
子供がいる場面だと顕著かもしれません。
・大声出したら怒る
・いうこと聞かなかったら怒る
・駄々こねたら怒る
・約束守れなかったら怒る
などなど。
これらがどうして起こるかというと、これらの刺激(子供の問題行動)を目の前にした時の行動レパートリーが「怒る」しかないからでしょう。
これまでの人生で「子供が大声を出した」という刺激が目の前に起きた時、おそらく
自分が子供時代に親から怒られたとか、
周囲の誰かが子供に怒っている場面を見聞きしたとか、
そんな経験があったから、それをそのまま実行している可能性が高いです。
ではどうしたら、この「すぐに怒る」という親の行動を改善できるのか。
それは、別の行動レパートリーを獲得することで改善できます。
子供が大声を出している場面に遭遇した時、「大声出さないの!」と怒る以外にどんな対応があるだろうか?
まずはその引き出しを増やすことから始めます。
怒らずに諌める親もいるかもしれない。
そのまま放置してどっかにいく親もいるかもしれない。
どれがいい、はさておいてまずは引き出しの中身を増やすことから始めるのです。
あとは、使ってみる
引き出しの中身が増えてきたら、あとは実際に使ってみる。
これです。
私たちが普段どのようにして新しい行動レパートリーを獲得しているかというと、
実際に行動して行動して行動して獲得しています。
こればかりは、もう実際にやってみるしかないですね。
人によっては、まずは脳内のイメトレや写真を使った練習から始めるといいかもしれません。
実は、私が今の我が家で新しい文化を手に入れられたのも、このイメトレからなのでした。
イメトレの絶大なる力
こういうのもなんですが、私って実は小さい頃からクソ真面目で、昔はあんまり面白い人じゃなかったんですよ。
でも、ある時「面白い人になりたい」と思って、とある行動を始めました。
それが「イメトレ」です。
クラスに面白い子がいました。
みんなの人気者で、とっても明るくて楽しくて元気になれます。
その子を観察して真似てみることにしたんです。
イメトレはこんな感じです。
寝る前とか、トイレとか、ぼーっとできる時にその日にあった出来事を思い出します。
仲のいい友達との会話などです。
そこで、今日実際に自分が話した言葉を思い出します。
次に、もっと理想的な言葉はないか?を考えて作ります。
あの子だったらこういうだろうか?
とか
もっと笑える言葉はないだろうか?
とか。
作っては、イメージの中で会話し、
また改めて作ってみてはイメージの中で会話して。
そんなことを繰り返していたら、だんだんと実際の会話中に面白い言葉を出せるようになっていったのです。
今の我が家でも同じことをしています。
こんな時にこんな対応をするのか、これいいな、と思えば早速イメトレです。
で、次回似たような場面が来ると、一瞬遅れるけどイメトレした言葉を言えるようになっています。
なぜ我が家は笑いが絶えないのか?
それは、一緒に笑うきっかけとなる「刺激」が同じである、ということ、
そして、
お互いの行動(刺激)に対して怒ったりイライラしたりして「言い返す」「指摘する」という行動をしない、
ということが理由だと思っています。
もし、万が一元々「言い返す」「指摘する」という行動レパートリーを持っていたとしても、それは修正することができるのです。